[アップデート] Amazon WorkSpacesでRed Hat Enterprise Linuxの利用が可能になりました
しばたです。
先日AWSより「Amazon WorkSpacesでRed Hat Enterprise Linux(RHEL)の利用が可能になった」旨のアナウンスがありました。
本記事ではこの更新の詳細を解説します。
どういうことか?
従来Amazon WorkSpacesの仮想マシン環境(WorkSpace)で利用可能なLinuxディストリビューションは
の2種類でした。
今回新たに
- Red Hat Enterprise Linux 8
が使える様になりました。
本日時点で中国リージョンを除いたAmazon WorkSpacesをサポートする全リージョンで利用可能です。
東京リージョンで確認したところ言語は英語と日本語から選択可能で、クライアントプロトコルはWSPのみのサポートとなっていました。
利用料金
料金については公式ページを参照してください。
- Amazon WorkSpaces pricing
- 本日時点では英語ページのみの提供
RHELのライセンス費用がかかるため他のLinuxディストリビューションより高くなりますが、単価改定の件もあるせいかAmazon WorkSpaces向けのスペックではそこまで高額ではない印象です。
参考までに本日(2024年6月29日)時点の東京リージョンにおける価格を比較すると以下の通りです。
スペック | OS/ディストリビューション | 月額費用 (AlwaysOn) | 時間単価 (AutoStop) |
---|---|---|---|
Standard(2vCPU, 4GB memory), Root 80GB, User 10GB | Amazon Linux | $41.00 | $10.00/ month + $0.36/hour |
Standard(2vCPU, 4GB memory), Root 80GB, User 10GB | Ubuntu | $43.00 | $10.00/ month + $0.38/hour |
Standard(2vCPU, 4GB memory), Root 80GB, User 10GB | RHEL | $44.00 | $10.00/ month + $0.39/hour |
Standard(2vCPU, 4GB memory), Root 80GB, User 10GB | Windows | $45.00 | $10.00/month + $0.40/hour |
試してみた
ここからは実際にWorkSpace環境を作って試していきます。
今回は私の検証用AWSアカウントの東京リージョンに新規にWorkSpaceを作成します。
ディレクトリ環境やVPCなど事前に必要なリソースの構築手順は割愛します。
先日のAmazon WorkSpaces Poolsの登場[1]によりWorkSpaceの作成ウィザードの内容が変わっています。
従来のWorkSpaceは「個人 (Personal)」という扱いになっており、こちらからバンドルを選択します。
バンドルの選択画面から新たにRHELを選べる様になっています。
今回はStandard (2vCPU, 4GB memory)の「日本語版 Red Hat Enterprise Linux 8」を選択していきます。
その他のパラメーターは環境に応じた値を選びWorkSpaceを作成します。
作成されたWorkSpace環境に接続するとこんな感じになります。
RHELではGNOMEがデフォルトのデスクトップだそうで、このためぱっと見では他のディストリビューションと大差ない雰囲気ですが左上の赤帽アイコンで違うことが見て取れます。
ターミナルからOS情報を確認してみるとちゃんとRHEL (RHEL 8.10)であることが分かります。
また、表示言語は日本語になってますが、日本語の入力メソッドは未設定だったので自分で追加してやる必要があります。
日本語の入力メソッドを追加してやればちゃんと日本語入力も可能です。
初期インストールされているソフトウェアはこんな感じで、他ディストリビューション同様にFirefoxが利用可能です。
その他のWorkSpace環境の管理については以下のドキュメントを参照してください。
最後に
以上となります。
RHELのデスクトップ環境を必要とするユーザーがどの程度いるのか私からはなんとも言えませんが選択肢が増えることは良いことだと思います。
気になる方はぜひ実際に試してみてください。
こちらについては別途記事を書く予定です ↩︎